ありがとうございます。 | 秋元康様ありがとうございます(前編)

   
 
ご存じ作詞家であり、放送作家、音楽・映画プロデューサー、脚本家、映画監督、大学教授と多岐に亘り大活躍されている天才であります。
あきやんと共に
あきやんと共に
あきやんとは・・、失礼生意気な事は重々承知しておりますが成り行き上こう呼ばせて頂いております。あきやんとは定期的に食事会を開いております。題して「ぎゃふん!と言わせる会」。お互いに自慢の店を交代に紹介し合っているのですがこれが一筋縄ではいきません。彼は言わずと知れたグルメで大抵の美味しい店は網羅しています。それを「ぎゃふん!」と言わせるのは至難の業です。前回は渋いドイツ語名の店を紹介され、てっきりドイツ料理かウィーン料理の店と想像して訪れたらこれが全くの異質の料理店。狭い店内に靴を脱いで入ると四名だけのカウンター席と階段に圧し掛かられる様な小さなテーブルが一席だけの摩訶不思議な空間。何料理というジャンルにとらわれず、また最近流行りの創作料理でも無く全くもって「ぎゃふん!」と言わされました。その分次回の店選びの私のプレッシャーは並大抵ではなく最近では美味しくおもしろい店を見つけると 「こちらのお店に秋元康さんはお見えになった事がありますでしょうか?」
と聞くのが癖になってしまいました。そんな中、見つけましたお誂え向きの店を!。香草ソーセージやビーフシチューを前菜にメインディシュは薬膳カレー、何とデザートは手打ち蕎麦という摩訶不思議な美味い店であります。おまけに一人で切り盛りする親父は渋い偏屈頑固者ときました!。(マスター、親切にして頂いているのにすみません)(笑)。
「秋元さんは・・・」と問いかけると「誰だ!それ!!」とのお言葉。三回通って「間違いなくここだと!」決めました。結果は見事あきやんの御眼鏡に適って「ぎゃふん!」と言わせる事が出来ました。




あきやん、三枝先生、林真理子さんらと高知にて
あきやん、三枝先生、林真理子さんらと高知にて
昨年末そのあきやんとひょんな事から高知でボランティアのミュージカルを御一緒させて頂きました。元々その日は大阪でイベントが入っていたのですがキャンセルになり、依頼された役どころのセリフはただ一言の事もあり軽い気持ちで受けました。本読みの日に新宿の会場に行くとプロデューサー兼作詞、脚本担当のあきやんの他に作曲担当三枝成彰先生、主役の姿月あさとさんに林真理子さん、江原啓之氏等々様々な分野の重鎮がずらりと勢ぞろい!。学芸会の軽いノリで参加した私はビビりまくりであります。恐縮しながら席に着き台本を見る。高知での舞台という事もあり坂本竜馬の物語であります。読むといつの間にか役が変わりセリフも増えている。あきやんや三枝先生、座長である林真理子さんらの挨拶の後、本読みが始まった。さすがに宝塚出身の姿月さんなどはいきなり役にはまっていてカッコいい!。どんどんと本読みが進んでゆきいよいよ私の幕の番が回ってきた。芝居なんてやった事が無く関東弁のセリフに全く自信が無い、
「あの、芝居なんて出来ませんので舞台は京都ですから地の京都弁でいいですか?」
あきやんから「任せるから好きにやっていいよ。」との優しいお言葉。何とか無事乗り切り本読みは終わった。舞台の台本など読んだことが無いので楽しく拝読させて頂いている間も幹部の方々の間では打ち合わせは進む。
「これは秋元さんがやるんですよね?」林真理子さん。
「いやこれはトシやんにやってもらう。」あきやんの声で驚き顔を上げると皆の視線が私に集中している。「何、何の事!」心の中で叫びながら必死に状況を探る。
一番の下っ端が 「すみません聞いていませんでした。何の話ですか?」なんて言えない。「はあ」と曖昧な返事をしたのがこの後の悲劇(喜劇?)の始まりでした。続きは次回に!!