今年も昨年に引き続き「ハワイアン・フード&ワインフェステイバル」に呼んで頂きました。このイベントは今年で三回目でハワイ最大の食のイベントであります。昨年は解らない事だらけで不安で一杯だったのですが今年は二回目という事もあり昨年よりも気分的に随分余裕ができて楽しめました。
何よりも心強いのは昨年、アロハの精神に触れられた事でした。ハワイの皆さんは本当に陽気で人への思いやりに満ちています。私達が作業をしていると慣れない日本から来ている事を気に掛けて下さり何か不自由な事が無いか常にサポートして下さるのです。 私はハワイにいると最初の修行の地、シャッハウゼンを思い出します。気候も人種も文化も全く違うのですが、私はシャッハウゼンにいる間「この街の人々は世界一親切な人たちなのではないか」と感じていました。例えば多くの荷物を持って歩いていると「駅へ行くの?」と見知らぬ人に声を掛けられます。 「はい」と答えると「私も駅に行くから半分持ってあげるよ」と言って平気な顔で駅まで荷物を持ってくれ「じゃあ!ここで」「ありがとう」と別れていく。こんな事が当たり前なのがシャッハウゼンでした。 若い頃にバックパッカーとして世界中を旅していた経験のある私は、以前ならそんな時、まず警戒して荷物を持ってもらうなどと考えられませんでした。 しかしそんな心を解きほぐしてくれたのがシャッハウゼンの人々でした。シャッハウゼンよりも何十倍も大きく様々な人がいるハワイはスイスの田舎町の人々と同じとはいえませんがハワイアンのアロハの精神はシャッハウゼンの人たちに引けを取らない素晴らしいものがあります。
家内は昨年も今年もプライベートで期間を合わせてきました。昨年は客としてこのイベントに参加したのですが今年はプライベートで来ているのにも拘わらず助手として大奮闘してくれました。多くのお客様の「美味しい!」と言う笑顔の接する事は家内にとっても嬉しい事であったようです。 私のハワイに行く大きな目的の一つに「スタッフに世界を見てもらいたい」というのがあります。これは松下ノブシェフにアドバイス頂いた事なのですが、毎年このイベントには世界で勝負されていらっしゃる多くのシェフ達が集まります。その人達と一緒に仕事をして、そして酒を酌み交わせる事は本当に刺激的であります。世界を相手に仕事をするという事は世界規模の問題を抱え込む事に違いありません。それを笑い飛ばせる胆力には感服せざるをえません。何も世界中にお店を出すのが偉いという訳ではありません。小さな街の小さなケーキ屋を営み続けるのも同じ位素晴らしい事です。その事自体に誇りと自信を持って突き進めるのであれば・・。私は世界を相手に勝負されていらっしゃる方々とゆっくりとお話しをさせて頂く度に自分の器の小ささに打ちのめされます。 今年の日本勢は世界の松下ノブシェフ、鉄人坂井シェフ、中華のアイアンシェフ脇屋シェフ、飛ぶ鳥を落とす勢いオーストラリア・テツヤシェフ、そして初めてお会いしました栗原はるみシェフ。二年間レギューラーをしたNHKエルムンドから今年はアンディも取材に来て下さいました。当店からは助手としてToshi Yoroizuka&一夜城Yoroizuka Farmシェフ吉田勝彦、アトリエ店シェフ加藤貴嗣。両スタッフには掛け替えの無い経験になった事でしょう。
そして私自身とてもとても良い刺激となりました。日本でも大変お世話になっているノブシェフ、そして脇屋シェフ。このハワイでの機会でしかお会いする事が出来ない、アラン・ウォンシェフやロイ山口シェフ。そして昨年もお会いしたのですが今年初めてゆっくりお酒を酌み交わす事が出来ましたテツヤシェフ。その他多くのシェフとの出会いに感謝致します。 そしてToshiスタッフ、ハワイの皆さま、ノブワイキキの皆様、最後に御来場頂けました多くのお客様本当にありがとうございました!
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