バタークリームというと敬遠する人も多いが、上質の材料を使ってていねいに泡立てたものはコクがあって非常においしい。バニラやリキュール、チョコレートなどで変化をつけると、さまざまなフィリングとして応用できる。
以下の2つの方法以外に、シロップだけを加えて作ったり、用途によってはスイスメレンゲ、バータ・ポンプ、ソース・アングレーズなどを加えて作ることもある。いずれも冷凍保存が可能である。その場合は室温に戻し、もう一度泡立て直してから使うこと。なお、バターは3分の1量を有塩タイプにしてもよい。
配合:イタリアンメレンゲ式
卵白 3個分/
水 80cc/
砂糖 250g/
バター:500g
配合:ジェノワーズ式
全卵 3個/
卵黄 2個/
砂糖 200g/
バター:500g
イタリアンメレンゲ式
1:水と砂糖でシロップ(115〜120℃)を沸かし、卵白に加えてイタリアンメレンゲを作る。メレンゲは角が立つまで泡立て、温度はあとで加えるバターが溶けやすいように37℃に仕上げる。
2:バターは室温において柔らかくし、少し硬めのポマード状に練り上げる。これを手でちぎって1に加え、泡立て器で混ぜ合わせていく。
3:しばらくすると、バターが溶けて写真のようになめらかなクリームになる。
4:3をそのまま泡立て器で合わせていると、バターが分離してくる。これはボール内の温度が28℃以下になった証拠なので、ボールを湯せんにかけて37℃位に上げる。
5:熱をつけて、しばらく混ぜ合わせると、徐々になめらかなクリーム状になってくる。こうなったら、バターが再び分離することはない。
6:出来上がり。この状態で冷蔵しておくと、1週間程保存できる。ただし、かたくなるので、もう一度好みのかたさに練ってから用いる。リキュールやフレーバーもこの状態のときに加えること。
ジェノワーズ式
1:ボールに全卵、卵黄、砂糖を入れ、湯せんにかけて泡立て器ですり合わせる。湯せんの湯の温度は、70℃程度を保つように調節すること。
2:1が混ぜ合わさったら、今度は泡立て器を大きく動かして空気を抱き込むようにする。これを続けていると卵に熱が入って、全体にもったりとした感じになってくる。
3:2が写真のようにリュバン状(七分だて)になったら、湯せんをはずす。引き続き泡立て器でかき混ぜ、ボール内の温度を34℃位まで下げる(ジェノワーズの出来上がり)。
4:バターを室温において柔らかくし、ポマード状に練り上げたものを3に少しずつ加え、ジェノワーズとバターを合わせていく。
5:バターをジェノワーズに合わせるときは、まず泡立て器でバターのかたまりをほぐし、その後、2つをなめらかに合わせていく。
6:出来上がり。バターとジェノワーズがしっかり合わさって、クリーミーな舌触りになっている。