河田勝彦シェフ ありがとうございます!
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河田勝彦シェフ
ありがとうございます!
先日、尊敬するオーボンビュータン・河田勝彦シェフの講習会に行って参りました。河田シェフが自ら「これが最後の講習会になるだろう。」とおっしゃられた事もあり、凄い事になりました。

河田シェフと助手の永井氏、西野氏

助手に永井紀之氏、西野之朗氏、井上佳哉氏。受講者には横溝春雄氏、稲村省三氏、柳正司氏、藤森二郎氏、土屋公二氏、木村成克氏、辻口博啓氏等々名前を挙げだしたらきりがない程有名シェフがおよそ150名!。普段とは違う異様な迫力のある講習会となりました。写真の通り斬新な技術や配合ではないのですが素晴らしかったです。講習会の最中に土屋シェフがおっしゃられた言葉ですが 「良い悪いを超越(決して悪いという意味ではありません)してこれが河田ワールドであり私達は河田ワールドに接する為にここに集まったのです。」

バトングリオッティーヌ

又、藤森シェフはこんな質問を投げかけておられました「河田シェフと同じ様に作っても河田シェフの様な味にならないのは何故なのでしょう?」小僧が質問しているのではないのです。フィリップ・ビゴ氏の一番弟子であり私の尊敬する大先輩のお言葉です。これには河田氏の一番弟子の永井氏が答えられました。「河田シェフは独自の哲学に基づいて菓子を作っているので技術、製法を学んでも同じ物は作れない。」深いお言葉であります。作り上げられたお菓子も河田シェフ曰く「フランス伝統菓子は粉菓子(小麦粉を軸とした焼き菓子を指す)の文化」と言われる通りしっかりとした味わい深い逸品揃いでした。

ベニエ

河田シェフは1944年生まれでこれまた私の大尊敬する福岡の三嶋シェフらと並び渡仏修行のパイオニアでもあり洋菓子界の重鎮であります。河田シェフが人を引き付けて止まない理由の一つに愚直な程の職人魂とフランス伝統菓子へのこだわりであります。私はスイス、オーストリア、フランス、ベルギーと四か国で修行してきた事が大きな原因だと思いますが美味しい物を追及する魂では引けを取らないと自負しておりますがフランスへの思い入れと言う点では河田シェフには足元にも及びません。
私と同時代にパリにいたパリセヴェイユの金子シェフやTOSHIの二番手、高橋などもパリが大好きなようですが私は今、東京が大好きです。スイスにいた時はシャッハウゼンが大好きでしたしパリに住んでいた頃はこんな素晴らしい街は他には無いと気に入っていました。帰国した人は昔の修行地に思いを馳せる人が多く中には今自ら住む日本の街を無機質な味気無い都会と卑下する人もいますが私はいつも住めば都です。

今すべて頭の中と仕事、生活を白紙に戻し何処かの街を選ぶ事が出来るのであれば変わってくるのかも知れませんがそんな事が不可能な今、東京が一番好きな街です。寿司や蕎麦、文化では落語も大好きであります。酒を飲みながら寄席で落語を堪能して〆は近所の蕎麦か寿司屋でちょっと一杯なんてのはパティシエらしくないですが日本人で良かったと思う至福の瞬間であります。ウィーンではオペラを楽しんだ後、ホイリゲでワインを楽しんでいましたし、結局満足いく菓子が作れて仕事が上手くいって美味しい酒が飲めたらどこでも天国という楽観的な人間という事でしょうか・・。

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